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新刊紹介
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「あっ!ハチがいる! −世界のハチとハチの巣とハチの生活―」
千葉県立博物館監修
晶文社出版 2004年7月刊 1600円(税別) B5版 143pp
 平成16年度千葉県立中央博物館企画展の展示解説書として、19人のハチの専門家によって執筆されている。構成を紹介すると、I「きれいなハチの世界へ」として、世界のハチとハチの巣をカラー写真を用いながら解説。II「ハチの生活」では、ハバチやキバチ等の植物食性種からコバチやコマユバチ等の捕食寄生種、そしてカリバチ類やハナバチ類へと、ハチの生活を5つタイプに分けてやさしく紹介している。III「ハチを調べる」では、ハチの調査方法と飼育観察方法についての解説。そして巻末には、科名一覧と日本産膜翅目上科の検索表がついている。これら以外にも、ハチの8話として研究事例や興味深い生理生態が、オムニバス式に見開き2ページ単位に綴られていたり、ハチ88面相では88種のハチの顔面アップの写真を掲載など多種多様な内容で読者をひきつける。スズメバチのペーパークラフトもついている。

 本書の目的は、以下の3つに集約される。(1)ハチに対する誤解を解くこと。ハチ類で人に危害を加えるのは数パーセントの種のみであり、多くの種は害はない。ハチの毒は、その強さと量で決定されるが、意外にも毒性の強弱ではスズメバチが最大ではない。(2)自然界の生物多様性ならびに生物同士のつながり生態系のおけるハチの役割を理解してもらうこと。昆虫類で最多種数といわれる甲虫目は320,000種、膜翅目はハチの種数は約130000種の記録があり甲虫に次ぐ位置にあるが、未記載種がその数倍存在し、実際は最も種類数の多いグループである。(3)ハチを好きになってもらうこと。これが本書における最大の目的である。「ハチは人を刺す」という害虫としてのイメージが強いが、他方で蜂蜜やプロポリスなどの健康食品の生産者という有益な面もある。

 家屋害虫のIPMを行うには、その対象害虫の性質だけでなく、その昆虫を取り巻く生物群集の位置づけや種間関係についての情報も重要となる。加えて被害許容水準を高めるためには(多少の被害があっても受け入れる)相手に対する悪いイメージ、偏見を軽減させたい。その点でハチを好きになってもらうことを主たる目的としてまとめまれている本書は、ペストコントロール関係者にも利用性が大きい。
(東京農業大学  環境緑地学科 竹内将俊)
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